めまいについて
診療内容
めまいについて
耳が原因のめまい
めまいの原因として圧倒的に多いのが「耳」の異常です。
耳が原因のめまいでは「意識がはっきりとあり、目がグルグルまわる」のような「回転性のめまい」があらわれることが多いです。
このようなめまいは耳鼻咽喉科へご相談ください。
脳血管疾患が原因のめまい
めまいは脳血管疾患(脳梗塞、脳出血など)の前触れとして起こることもあります。
脳が原因のめまいでは「意識がぼんやりして、ふらふらと浮遊感があるめまい」を感じることが多いとされています。めまい以外に手足のしびれ、ろれつが回らない、飲み込みが困難などの症状が伴うこともあります。
このような時は、命に関わる場合もあるため、救急車または救急外来のある大きな病院へ行き、脳血管障害が起きていないか診察してもらうと安心です。
内科疾患が原因のめまい
血圧の異常や貧血、甲状腺の異常、自律神経の乱れなどでめまいが起こることもあります。
かかりつけ医に相談しましょう。
めまいの検査
問診
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いつ(上を向いた時、横になった時、歩いている時、など)
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どのようなめまいが起こり(ぐるぐる回った、ふわふわした、など)
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どのように経過したか(数分で治まった、数日間もぐるぐる回った、など)
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めまい以外の他の症状(耳鳴り、難聴、頭痛、体のしびれや麻痺、物が二重に見えた、など)
などを確認いたします。
眼振検査
眼振とは、自分の意思とは無関係に眼球が動くことです。
特殊なゴーグル型の器具をつけて、赤外線CCDカメラにて眼振の有無を調べます。めまいの原因によって、特徴的な眼振が見られます。
重心動揺検査
重心動揺計とは、体のふらつき度合いを調べる検査です。
水平な台の上にまっすぐに乗っていただき、目を開けた状態で60秒間、その後目を閉じた状態で60秒間立っていただきます。
その間、足のどの部分に重心があるのかふらつきはどのくらいあるのかを検査します。
検査中ふらついて倒れないよう、当スタッフが必ず横についておりますので、検査は安全に施行可能です。
聴力検査
めまいには聞こえの悪さや耳の詰まる感じが伴う場合があります。
自覚症状として難聴がなくても、会話領域以外の周波数の聴力低下を起こしていることもあります。
聞こえに関する症状がないか、聴力検査で調べます。
めまいを起こす代表的な病気
良性発作性頭位めまい症
□ 「めまい」の中で最も多い疾患
□ 回転性のめまい
□ 頭位を変化させた時にめまいが生じる
耳鼻咽喉科を「めまい」で受診なさる患者さまで多くみられる疾患です。
寝返りをうった時、頭を下に向けた時、ベッドから起き上がった時などの頭の位置の変化により、めまいが起きます。ぐるぐる目が回る感覚が強いため、恐怖感や不安感、吐き気を伴ったりしますが、難聴や耳鳴は伴いません。
薬物療法と体操を行うことで、比較的治りやすいめまいです。
メニエール病
□ 突発性難聴との鑑別が大切
□ 回転性のめまい
□ 難聴・耳鳴り・耳のつまりを伴う
□ 難聴が進行することがある
ぐるぐる回るようなめまい、耳鳴り、難聴、耳のつまり(耳閉感)の4症状が同時に起こる「めまい発作」が特徴です。めまいの発作は数分で治まることもあれば、数時間続くこともあります。
メニエール病の原因ははっきりしていませんが、「内リンパ水腫(内耳がむくんでしまう状態)」と考えられており、このむくみがひどくなるとめまい、難聴が起こってきます。メニエール病のめまいは、数時間から長くても一日でほとんど治ります。
メニエール病の怖いところは、一度悪くなった聴力が必ずしも元に戻らないことです。めまい発作に伴って聞こえが悪くなり、発作を繰り返すことで聴力が低下していきます。
めまいを伴う突発性難聴
□ ある日突然、耳が聞こえにくくなる
□ 発症から1週間以内に治療を始めることが大切!
□ 原因不明の病気
□ 耳がつまった感じがすることもある
□ めまい・耳鳴りが伴うこともある
□ 片方の耳のことが多い
突発性難聴は、明らかな原因もないのにある日突然、聞こえが悪くなる病気です。
全く聞こえなくなる重度なものから、耳がつまった感じ(耳閉感)のみの軽度なものまでさまざまなタイプがあります。多くの場合、片耳だけに起こります。
内耳の血流障害やウィルス感染などが原因ではないかと考えられていますが、現時点では原因不明の疾患です。突発性難聴の程度によりますが、完治する患者さんは約3分の1、ある程度回復する事ができる患者さんは3分の1、回復しない難治性の患者さんが3分の1です。発症してから早い段階で適切な治療を受ければ症状が改善する確率も高くなりますのでなるべく早く受診することが重要です。
前庭神経炎
□ 激しい回転性のめまい
□ 数日~1週間程めまいが続く
□ 難聴・耳鳴はない
□ 治るまでに時間がかかるめまい
内耳の奥にある平衡感覚を保つ前庭神経の炎症により、めまいが突然起こる病気です。
他のめまいに比べてめまいの持続時間が長い病気です。通常、耳から起こるめまいは1日以内におさまることが多いのですが、前庭神経炎では数日間にわたって1日中回転性めまい、嘔気が持続します。
難聴や耳鳴りはありません。
めまいは少しずつ軽くなっていきますが、体を動かした時のふらつきや、雲の上にのったようなふわふわした状態はしばらく続き、6ヶ月程経過してもふらつきが持続することもあります。治るのに最も時間がかかるめまいです。
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎によるめまい
□ 中耳炎が原因のめまい
□ 中耳炎の治療でめまいも治る
慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎が進行した場合には内耳に影響を与え、めまいを引き起こします。
原因となっている鼓膜穿孔や真珠腫を手術により治療する必要があります。