アレルギー性鼻炎・舌下免疫療法・レーザー手術について
診療内容
アレルギー性鼻炎とは?
アレルギー性鼻炎には、季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー性鼻炎があります。
アレルギー物質が鼻の粘膜に付着することで、くしゃみや鼻汁、鼻づまりなどのアレルギー症状に悩まされます。
季節性アレルギー性鼻炎
一年の中でも一時期だけアレルギーの症状が出ます。花粉症が最も皆さんに知られていると思います。
[主な原因]
スギ花粉
ヒノキ花粉
ヨモギ花粉
イネ科花粉
ブタクサ花粉
通年性アレルギー性鼻炎
一年を通してアレルギー物質によるアレルギー症状に悩まされます。一年中あるアレルギー物質とは、ダニやハウスダストなどです。
[主な原因]
ダニ
ハウスダスト(ホコリ)
カビ
動物類
アレルギー性鼻炎の検査
1. 採血での検査
肘静脈からの採血で、より正確に自身のアレルギーについて精査できます。
環境因子(ダニ、ハウスダスト、スギ、イネ科、雑草類など多数可能)の他に食物アレルギーも同時に精査することが可能です。
2. 小さなお子様にも安心の指先からの採血での検査
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指先からの少量の採血で検査します。注射器を使用しないのでお子様も怖がらずに採血できます。
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結果は約20分で当日判定できます。
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通常の採血検査と比較して、簡易的な検査となります。
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アレルギー項目はダニ・ネコ・イヌ。ゴキブリ・スギ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギです。
※この項目以外は検査できません。
アレルギー迅速検査キット「イムノキャップ ラピッド」
薬物療法
点眼薬、点鼻薬、内服薬など、症状に合わせたお薬を使用します。
花粉症の場合、「初期療法」と言って花粉の飛散が開始する1ヶ月位前から(症状の出る前に)飲み始める方法もあります。症状が出てから飲み始めるのに比べて、症状が軽く済むことが多いです。
●妊娠中の方、授乳中の方の治療
妊娠初期(妊娠12週まで)の妊婦さんは、器官形成期であるため原則として薬物療法は避けます。
妊娠4か月以降は医師とご相談の上、治療が必要と判断した場合には安全性の高い薬を処方します。
舌下免疫療法
スギ花粉やダニ抗原を原料としたエキスを少量から舌下に投与することにより、体を慣らしてスギ花粉やダニ抗原によるアレルギー症状を和らげる治療です。
治療対象者
スギ花粉症患者又はダニアレルギー患者(成人及び5歳以上の小児)
※対象者はスギ皮膚反応テスト陽性や採血によるスギ特異的 l g E 抗体陽性の方
※対象者はダニ抗原皮膚反応テスト陽性や採血によるダニ特異的IgE抗体陽性の方
治療を受けられない方
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重症気管支喘息患者
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高齢者(65歳以上)
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妊婦・授乳婦
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非選択的β遮断薬内服患者
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全身性ステロイド薬内服患者
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悪性腫瘍・自己免疫疾患・免疫不全患者
受診日
★スギ花粉症の場合、治療開始時は「スギ非飛散期」とします。
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問診、鼻内所見などの診察
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検査によるスギ花粉症・ダニアレルギー症の診断と他のアレルギー反応(ハウスダスト・カビ類など)の合併の有無の判定
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治療受けられない患者に該当しないことの確認
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治療継続意志の確認
*注:詳細な問診と治療の説明が必要ですので、後日改めて説明させていただくこともあります。
治療対象者には治療開始となります。
治療開始日
1.「スギ花粉症減感作療法薬」または「ダニ抗原減感作療法薬」の処方
※当クリニックは院外処方のため、調剤薬局にて処方箋と提出し薬剤を当医院に持参していただきます。
2.「実際に舌下にスギ花粉エキス」または「ダニ舌下錠」を投与する。
※初回投与(第1回目)は必ず当医院内で開始させていただきます。
3. 投与後30分は院内にて安静にしていただきます。30分経過後再度診察いたします。
4. 治療による副作用などがないことを確認し、今後の治療法を説明します。
5. 治療説明を理解了承され、診察終了となります。
治療スケジュール(ダニアレルギーの場合)
●服用方法
1日1回1錠 舌下にて1分間保持下の後、飲み込む。
その後、5分間はうがい・飲食は禁止します。
舌下免疫療法は、スギ花粉やダニ抗原に対するアレルギー症状を
自然緩和できる可能性がある治療ですが・・・・・
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もともとアレルギーを起こすエキスを体内に入れるため、アレルギー反応が過剰にでる可能性があること(アナフィラキシーショック)
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治療期間が長期間であること(3~5年間)
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症状がなくても2週間から1か月の間に受診が必ず必要なこと
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治療した患者全員に効果がでるわけではないこと
このようなことをご理解される必要があります。
かなり手間と時間がかかる治療ですので治療希望の方は熟考していただければ幸いです。
レーザー手術
当院では、アレルギー性鼻炎・花粉症の患者さまに対して、レーザー手術を施行しております。
手術施行には
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アレルギー検査で、アレルギー性鼻炎と診断されていること
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重度の鼻中隔弯曲症がないこと
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難治性であること
これらが前提となりますが、
つらい鼻水・鼻閉・くしゃみなどでお困りの患者様は、ご相談いただければと思います。
なお、手術はアレルギー症状が少ない時期(シーズンオフ期)に行うと効果的です。
症状が強い時期に行っても、効果が十分出ない場合があります。
レーザー手術の方法について
※図の斜線部が空気が通る空間
アレルギー性鼻炎では、鼻の中にある「下甲介」(図Aの1)という骨の粘膜がアレルゲンを感作した結果、腫れたり粘液を分泌します。(図Bの2)これにより、鼻の空気が通る空間が狭くなり鼻閉を起こしたり、分泌された粘液が鼻水となり症状が出ます。(図B)また、くしゃみの中枢を刺激して、くしゃみが出ます。
レーザー手術では、この下甲介の粘膜を焼灼することにより、鼻の中にアレルゲンが進入してきてもアレルギー反応を起こさないようにする手術です。レーザーにより焼灼することにより、特に鼻閉には効果が高く、鼻水・くしゃみなども低下します。(図C)
手術は外来で可能でありますが、手術後は通院での鼻処置が必要となります。
予約制での施行とさせていただいておりますので、希望の患者様はご相談ください。